沙漠に春がやって来た ―アラビアに咲く花―
アラビアの乾いた大地、一年中がほとんど夏、だが、この沙獏にも、短い秋と冬と春があります。 11月ともなれば雷の音と共に、雨がぽつり、そのうちに土砂降りとなってきます。秋だ!勿論、日本のように紅葉の季節が訪れたわけではありませんが活気が戻ってきたような気がします。気温は摂氏40度台からぐんぐん下がり、1月にはいると、10度を下回るほどです。3月、気温は更に上がってきます。4月には砂嵐とともにもう夏がやってくるのです。
神の恵みの雨はこの間、平均100ミリ、最近は温暖化の影響か300ミリを超える年もあります。
2月、ここ、サウジアラビアの東部地区、ペルシャ湾に面したカフジの町。沙漠は雨を飲んで息を吹き返します。町を一歩でると、いつも見慣れたカーキ色の大地は一面の緑に変貌しています。2月中旬、沙漠はさらにその顔を変え、名も知れぬ可憐な花が咲き乱れます。花柄のじゅうたんは地平線まで広がっています。
この花の蜜を求めて、蝶々やバッタが飛び交っています。沙漠に短い春がやってきました。
私はこの頃になると良く沙漠に出かけ、花々をカメラに収めていました。それよりも、雨上がりの沙漠は土の匂いがして爽やかな気分になります。リフレッシュ!これも目的のひとつです。ちなみにこの頃は約14度Cですから、沙漠歩きにもセーターがほしいですね。
さて、チャーミングな花々をご紹介します。沙漠を歩きまわって、花の写真を撮りました。いろいろな種類があるので驚きました。
「Flora of Kuwait―Hazim S Daoud 著」から、花の名前を調べました。舌をかまないでくださいよ。まず、判ったものから並べて見ました。
Cakile arabica:
沙漠どころか、会社の事務所、や道路のわきにも生えています。可憐なピンクの花は、花屋さんのない当地ではテ-ブルの上に切花として飾ります。
Cistanche lubulasa
沙漠のつくしんぼ、砂の中からにょきにょき出てきます。背丈は40センチ。花は房下から咲き始め、2ヶ月で上まで咲き終わると茶色に枯れてしまいます。 根を掘ってみたら、茎よりも長く、その先にはじゃがいものような球根がついていました。
Convolvulus buschericus
日本でよく鉢植えで売られているサフィニアに似た花です。葉がすぐ枯れ始めるので、見栄えが悪く人はあまり注目しませんが、あちこちに逞しく咲き誇っています。
Aizon hispanicum-
名前からするとスペイン風ですね。
花はスイスのアルプスに咲くエーデルワイスに似ています。
沙漠の暑さにも耐えられるよう、葉は厚くてちぎると汁がにじみ出てきます。
Rumex vesicarius
いつも雑草の中から顔をだしています。羊やらくだに食べられそうなので隠れているのでしょうか。
しかし、ピンク色の花はまわりの緑から、くっきりとわかります。目立ちがり屋なんでしょうね、この花は。
以下、名も知れぬ花々です。似た花の名前をつけては見ましたが・・・・
アイリス
3月、沙漠のくぼみ、水でしめっている所に群生するアイリス。沙漠が紫に変化します。乾いた場所にもちらほらと咲いています。根を掘ってみると中々球根に届かず、少なくとも50センチ以上ありました。
苦労して掘り起こし、社宅の庭に植えておきました。翌年、2~3本が花をつけました。でも、この花は沙漠に咲くものですね。 庭では寂しそうにしょぼくれていましたよ。
ー野菊ー
春に最初に咲く花、沙漠の中にドライブに出かけると、360度の地平線の風景は黄色や白の花柄で一杯に彩られています。 菊に似た花で沙漠に一番多く、季節の最後まで咲いています。
沙漠のアロエか? 小さな花をつけています。 過酷な夏を生き延びるためでしょうか、沙漠の植物のどれもが葉は厚く、花が小さいようです。
棘をもった潅木、この木にも可憐な花が咲きます。この木の根元にはさそりやへびの穴があるので、春先は注意せねばなりません。 らくだが棘にはものともせず、この潅木をもりもりと食べていました。
すみれだいこん
上にご紹介したカフジとは800キロも離れたリアド(サウジアラビアの首都)の郊外。
咲き乱れる花、強い風で一斉になびく様が幻想的です。
駐在員は、すみれだいこんの花だと言っていましたが。この年は雨が多かったせいか、こんなに沢山の花を見たのは初めて、と言っていました。
4月に入り、沙漠は夏の季節に入ってきました。可憐な花々はすでに枯れはて、長い夏の間じっと、土の中で眠りにつきます。 2月、ここ、サウジアラビアの東部地区、ペルシャ湾に面したカフジの町。沙漠は雨を飲んで息を吹き返します。町を一歩でると、いつも見慣れたカーキ色の大地は一面の緑に変貌しています。2月中旬、沙漠はさらにその顔を変え、名も知れぬ可憐な花が咲き乱れます。花柄のじゅうたんは地平線まで広がっています。
この花の蜜を求めて、蝶々やバッタが飛び交っています。沙漠に短い春がやってきました。
私はこの頃になると良く沙漠に出かけ、花々をカメラに収めていました。それよりも、雨上がりの沙漠は土の匂いがして爽やかな気分になります。リフレッシュ!これも目的のひとつです。ちなみにこの頃は約14度Cですから、沙漠歩きにもセーターがほしいですね。
さて、チャーミングな花々をご紹介します。沙漠を歩きまわって、花の写真を撮りました。いろいろな種類があるので驚きました。
「Flora of Kuwait―Hazim S Daoud 著」から、花の名前を調べました。舌をかまないでくださいよ。まず、判ったものから並べて見ました。
Cakile arabica:
沙漠どころか、会社の事務所、や道路のわきにも生えています。可憐なピンクの花は、花屋さんのない当地ではテ-ブルの上に切花として飾ります。
Cistanche lubulasa
沙漠のつくしんぼ、砂の中からにょきにょき出てきます。背丈は40センチ。花は房下から咲き始め、2ヶ月で上まで咲き終わると茶色に枯れてしまいます。 根を掘ってみたら、茎よりも長く、その先にはじゃがいものような球根がついていました。
Convolvulus buschericus
日本でよく鉢植えで売られているサフィニアに似た花です。葉がすぐ枯れ始めるので、見栄えが悪く人はあまり注目しませんが、あちこちに逞しく咲き誇っています。
Aizon hispanicum-
名前からするとスペイン風ですね。
花はスイスのアルプスに咲くエーデルワイスに似ています。
沙漠の暑さにも耐えられるよう、葉は厚くてちぎると汁がにじみ出てきます。
Rumex vesicarius
いつも雑草の中から顔をだしています。羊やらくだに食べられそうなので隠れているのでしょうか。
しかし、ピンク色の花はまわりの緑から、くっきりとわかります。目立ちがり屋なんでしょうね、この花は。
以下、名も知れぬ花々です。似た花の名前をつけては見ましたが・・・・
アイリス
3月、沙漠のくぼみ、水でしめっている所に群生するアイリス。沙漠が紫に変化します。乾いた場所にもちらほらと咲いています。根を掘ってみると中々球根に届かず、少なくとも50センチ以上ありました。
苦労して掘り起こし、社宅の庭に植えておきました。翌年、2~3本が花をつけました。でも、この花は沙漠に咲くものですね。 庭では寂しそうにしょぼくれていましたよ。
ー野菊ー
春に最初に咲く花、沙漠の中にドライブに出かけると、360度の地平線の風景は黄色や白の花柄で一杯に彩られています。 菊に似た花で沙漠に一番多く、季節の最後まで咲いています。
沙漠のアロエか? 小さな花をつけています。 過酷な夏を生き延びるためでしょうか、沙漠の植物のどれもが葉は厚く、花が小さいようです。
棘をもった潅木、この木にも可憐な花が咲きます。この木の根元にはさそりやへびの穴があるので、春先は注意せねばなりません。 らくだが棘にはものともせず、この潅木をもりもりと食べていました。
すみれだいこん
上にご紹介したカフジとは800キロも離れたリアド(サウジアラビアの首都)の郊外。
咲き乱れる花、強い風で一斉になびく様が幻想的です。
駐在員は、すみれだいこんの花だと言っていましたが。この年は雨が多かったせいか、こんなに沢山の花を見たのは初めて、と言っていました。
来年もまた、沙漠に緑は萌え出で、花々が咲き乱れることでしょう。
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