海の長者じんべいざめ-ペルシャ湾(アラビア湾)のチョーでっかい奴

  皆さんも水族館でお目にかかったことがあるでしょう。ジンベイザメ、体長は10メートルにもなる巨大なさめ、別名クジラザメとも呼ばれています。アラビアの海で釣りをしていると、ゆっくりと泳いで近づいてくる巨大な魚影が釣り場から見えます。それきたぞ!釣り人たちは一斉にその後ろにアジサビキ仕掛けを投入します。そこにはお宝が付いているからです。




 黒褐色に白い斑点が散らばっている巨体、まさに海の長者といっても過言ではありません。この長者さまは釣り人たちにとって福の神、なぜなら、後ろにアジの大群を引き連れているからです。 

 まるで学校の先生が生徒たちを引き連れているようです。ジンベイザメの腹にも多数のコバンザメがくっついています。

 この魚はアラビア語でフート・ジャルジョール(クジラザメ)、フート海底学園のジャルジョール・ジンベエ先生といっても良いでしょう。授業に置いて行かれないようにアジの生徒たちは懸命に追いすがっています。

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名門校ですから入学するには受験勉強が大変でしょうね。

 一方、ジンベイ先生にくっついているコバンザメはコネ入学したのと違いまっか? そな楽して、やはり小判の力かいな。

 それはさておき、釣り場は海面から5メートルの鉄の構造物、ここは元来は石油のバルブステーションですが会社は従業員のリクレーションのため、休日に開放しています。 ここには多くのアラブ人や日本人たちが釣りを楽しんでいます。

 5月になるとジンベイザメはゆうゆうと釣り場に近づいてくるのが見えます。秋には姿を消してしまいますからこのチャンスを逃すまいと釣り人たちはアジサビキ仕掛けの竿を手元に用意しておきます。

 ジンベイ様が構造物の下までやってきました。それ!と、釣り人たちは一斉にうしろの狭いポイント目掛けて一斉に仕掛けを入れるので釣り糸が絡んでお祭り騒ぎも起こりますが・・・。投竿すればたちまち魚信あり竿がグイとしなります。まごまごしていると、6本の釣り針に全部ヒットして引きづりこまれあっというまに仕掛けを切られてしまいます。すばやく抜き上げるのがコツです。

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 40cmのオオアジはすぐバケツ一杯になってしまいます。ニコニコ顔の人、仕掛けが絡まって口論している人さまざまですが、釣果は皆で分け合います。

 皆の釣り糸が絡むのを避けるためにジンベイ様の前に竿を入れてみました。駄目だ駄目だ、コバンザメが鈴なりで釣れてしまいました。

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 突然、竿がグーンと弓なりに、アッ大変だジンベイ先生を釣ちゃった。竿が折れないように水平にします。痛くもかゆくもないのかジンベイ様はサビキ仕掛けを引っかけたまま、幽遊と泳ぎ去ってゆきました。さすがですねえ。


 ともかくも、釣れたオオアジはその場で開いて干物にするか、氷詰めにして持ち帰り今晩はお刺身にしましょう。 三枚におろしたあと一度酢醤油にくぐらすと美味しいですよ。 明日の朝には刺身をぶつ切りにして にんにく、塩、コショウ、バジルで味をととのえ、オリーブ油と酢をかけて、カルパッチョにしましょう。 

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