なんでこんな変な名前になったの?-都内の坂を訪ねて

  東京都内は坂が多いですね。都内で名前のついている坂は800以上あるそうです。三宅坂(中央区)、道玄坂(渋谷区)、などほとんどの人が訪れたことがあると思います。まったく知られていない妙ちくりんな名前の坂。どうしてこんな名が付けられたのでしょうか、その由来などを調べてみることにしました。まずは自宅から歩いていける場所から攻めてみました。


幽霊坂 (港区 三田):
画像
















 都内には同じ名前の坂がいくつもあります。このあたりも昔はお寺が多かったため昼でも幽霊が出そうな暗さだったのでそんな怖~い名がついたのでしょうね。今は夜も明るい住宅地です。ご心配なく。

  この坂の途中の玉鳳寺には全身におしろいが塗られている御化粧延命地蔵尊(通称おしろい地蔵)があります。美肌になりたい方はお参りに来てください。お地蔵サンの脇にはパウダーの缶が置いてあります。 お試しあれ。

 幽霊坂の名は都内かぎらず全国の坂に付けられています。昔は同じ環境にあったからでしょう。もしかして本当にお化けが出たからかな・・・。こわ~。

へび坂 (港区 三田)
 幽霊坂のそばにあるこの坂もお寺サンの藪が多いところからそう名がつけられたのでしょう。今は何匹いるかな? 住宅地になったからいませんねえ。 へびみたいに曲がりくねった坂もそう言われていますが、ここは、ほぼ真直ぐな坂です。

行合坂 (港区 麻布) 
 双方から行合う道の坂であるから、とか、昔は市兵衛町と飯倉町との間にあったからといわれていますが、今はもっと行き交う人が多いので私はこちらの説をとります。よく散歩する所です。[コンニチハー!」(あれっ? 返事がありませんね)

芋洗い坂(港区六本木)
 いもあらいとは天然痘に罹った際に神仏に祈祷して水で洗うことですが、ここは芋屋が多かったからだともいわれています。そういえば、芋洗坂係長なんてタレントもいますね。

暗闇坂 (港区 元麻布)
画像 

















高級住宅街、中腹にはオーストリア大使館。樹木も多いがこんな明るいのに「くらやみ」とはどうして? 崖があり、昔はうっそうと茂る樹木で陽光が遮られ昼間も薄暗かったらしい。追剥も多かったというからこんな名前がつけられたのでしょう。今は高級マンションがずらり。各国の大使館も多いところです。

 暗闇坂の名は全国各地にはいくつもあります。通らざるを得ない坂ですから、用心のためそう名付けられたのかもしれません。 

 麻布付近は坂が多いところです。坂ばかりを一遍に見るのはちょっときついかな。でも次の坂に行きましょう。


狸坂 (港区 元麻布)

画像 

















   暗闇坂上から一寸足をのばすと狸坂があります。昔ここも薄暗かったので、狸に化かされたというので、そう名付けられたようです。 

 狸坂を下ると中国大使館の方面に向かって狐坂があります。 案内標識を探してこの坂を行ったり来たり、あれっ?ないぞ・・・・。  半信半疑で元の場所に戻りました。 はてな、化かされたのか? 昼間なのに・・・。  牛坂もあるそうですが、モウやめて麻布十番で買い物でもしましょう。

魚籃坂 (港区 三田)
 魚籃とは魚をいれる「かご」のこと。坂の途中の魚籃寺には魚籃をぶら下げた観音さまが祭られています。あれっ、魚をぶら下げているのは恵比寿さんじゃなかったの?


ざくろ坂(港区 高輪)

画像

















 品川駅から上がっていきましたが、道路沿いには一本もざくろの木は見つかりませんでした。新高輪プリンスホテルの脇で一本見つけました。

 江戸時代は鍵型に曲がっていましたが明治になって、真直ぐにしたために新坂といわれる様になりました。なんで新坂からざくろ坂に変えちゃったのか分かりません。ざくろの木があったといわれていますが・・・。それなら、ざくろの木を沢山植えれば良いのに。

 付近の見どころは、坂下の品川駅をでて右手(徒歩6分)の東禅寺(幕末のイギリス公使館)や左手(徒歩8分)の旧東海道の品川宿がおすすめです。 

都内で一番の急坂(品川区 東五反田)

画像
画像





































 なるほど上がるには息が切れますね。 やっとたどり着いた坂の上には「通り抜けはできません」の看板と車止めの柵が敷かれています。下からはバイクなど簡単にあがって来ていますが・・・。 


ゼームス坂 (品川区南品川)
 幕末から明治にかけてここに居住していた英国人のジェームスさんがあまりに急な坂であったので、自費を投じて作り変えたのでその名が付きました。おかげで楽な散歩道になっています。 大井町のゼームス坂上から歩いて、坂下の新馬場駅(京急線)を過ぎたところは旧東海道の品川宿です。 ぶらぶら散歩がてら探訪してください。 

 ちょっと足をのばしてみると・・・・

キリシタン坂  (文京区 茗荷谷) 
画像











 文京区 茗荷谷 ここには江戸時代キリシタン屋敷があったので、名が残っています。屋敷跡は碑がったているだけでその面影はありませんが、このキリシタン坂として名は残っています。





富士見坂 (荒川区 日暮里)

画像










画像












 都内では富士見坂は何か所もありますが、そこからは富士山が見えないところがほとんどです。 ここの坂からも マンションに遮られて見えません。 

 今や名前負けの坂。 かわりにここから近い谷中銀座を見下ろす坂の
「夕焼けダンダン」のほうがカッコよいですね。買い物も楽しんでください。

 うどん坂、ねずみ坂など、東京にはまだまだ変わった名前の坂がありますが、これからも足を延ばして行ってみようと思っています。

暇人のつぶやき

 山本周五郎の「長い坂」司馬遼太郎の「坂の上の雲」など 坂にちなんだ小説も多いですね。 小説では「坂」を上がると主人公の人生の展望が開けてきます。昔の坂のイメージは明るかったのですね。都内の坂の上はどこもビルに囲まれて眺めはよくないですね。坂を上がりきると。息切れが収まってからは失望感でどっと疲れが出てきました。 


コメント

このブログの人気の投稿

都内の秋を散策しました

園芸で育ったハーブ類、 料理に役立っています

残っていた戦時中の防空電球