釣りの醍醐味を味合わせてくれたのに・・・チョー不味いペルシャ湾の魚:そのー3

 竿先がぐぐっとしなる。きたぞ!でかい。リールがビビビッと幹糸を繰り出しています。暑いペルシャ湾(アラビア湾)の釣りは何が来るかわからない。 そのため釣り仕掛けは日本の繊細なものと違い大振りです。幹糸は18号、ハリスはフロロカーボン12号、それをせいご針20号にまいて、イカや小アジの切り身を餌にして魚信を待ちます。今日狙う魚の棚は海底です。

 このような大物の魚がヒットしても長い時間やりとりをしていると、突然の衝撃が来てスルリと抜けてしまうことがしばしばです。海中で、もがく魚をサメがパックンしてしまうからです。したがって、ごぼう抜きで釣りあげねばなりません。サメにやられてもセイゴ針だったら延ばされるだけですから、当地で貴重なおもりやてんびんなどの仕掛けを失なわずに済みます。

 ぎらぎらと照り付けるアラビアの太陽、大汗をかいて釣れ上がった魚は「キャットフイッシュ」あ~ぁ、ペットボトルの水をがぶ飲みしながら溜息が出ます。こんなに良い引きだったのに・・・。

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学名   :  Arius thalassinus (Ruppel)
英語名  : Giant Sea Catfish
アラビア語 : Chimh
日本類似種 : はまぎぎ(現地ではキャットフイッシュと呼んでいました)
体長    : 62cm(実測)  3.6kg (1メートルにもなるそうです)
           
 キャットフィッシュはバタバタ暴れまくってぬるぬるが釣り糸にからみます。おまけに臭い排泄物をまき散らします。 これじゃあこの仕掛けはもう使い物になりません。。

 死ぬまで放り出しておきます。なぜならキャットフイッシュは背中やひれに毒針を持っているからです。うっかり刺されたアラブの釣り人は「手がパンパンに張れてしまった。すぐに船を呼んで病院で手当てをうけたが、一週間はどうすることもできなかった」との話でした。 おもりとテンビン、釣り針を回収するために、魚体に絡んだ釣り糸を切りながら、つぶやきます 「もう釣れてくれるな」

 ともあれ、見た目ではピンクの魚肉は美味しそうです。 これはなまず科の魚だから旨いに相違ない。と、友人は持ち帰り味噌漬けとさつま揚げにしたそうです。後日、彼から食事に招かれなかったところをみると、人には勧められなかったのではないでしょうか。

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なんで食べてくれないの? そう・・・こんな顔していて悪かったネ! 

 同じ部のインド人が「捨ててしまうの?そんな、もったいない。私の国ではこれは珍重されている」というので、転がしておいた2~3匹を毒針を切り取ってから海水できれいに洗い持ち帰り彼に進呈しました。翌日の晩、彼の家の食事に招かれましたが、奥さんの心こもった手料理はキャットフイッシュのカレーでした。おそるおそる口にしてみたが、味はチョー辛すぎて評価のしようがありませんでした。

 釣り人にもそっぽをむかれるキャットフイッシュ、もう結構です。

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