美味しいアジの仲間なのにどうして・・・ペルシャ湾のチョー不味い魚:そのー2
ペルシャ湾(アラビア湾)にはアジの種類は多く生息しています。寿司や干物、塩焼きなど、赴任中はいろいろ食べました。その中でどう料理しても二度と口にしたくないアジがいました。ここはサウジアラビアの日系石油基地、休日には日ごろの仕事のストレス解消のため、よく釣りにでかけました。沖合4キロにある旧ローディング・ドック、火災事故でバルブステーションに改造された構造物が釣り場です。休日には社員のリクレーションのために開放されています。
ある日、アジを釣っていたところ、いきなりさびき仕掛けごと魚に取られてしまいました。それも海面下2メートルです。おかしいぞ?普通アジの棚は海底付近です。サメやダツならば、アジをヒットしてリールを巻いている時にパックンやられてしまうのが常ですが、仕掛けを投入して直後ですから一体何なのだろう? セイゴ針14号、ハリスを8号に変えて餌はエビの切り身、棚は2メートルにとりました。置き竿の竿先の鈴がチリリと鳴り、ぐんとしなりました。バレないようにリールのドラグを緩め、ポンピングを繰り返しながら取り込みました。
上がったのは、シャープな体型の青い魚です。こっりゃアジだあ・・・でもメッチャでかすぎます。
体長(実測): 75cm

まいう~と言いたいところですが全くの期待外れ、サシミは青黒っぽく見た目が悪いうえ筋が多く固い。その味を舌が許してくれません。生臭さだけがいつまでも口に残ります。 フライもいまいち。ソースをカケまくってのどに押し込みました。 翌日、そのアラ(無残な残骸ですね、これは・・・)をビニール袋に入れて外のゴミ用ドラム缶に捨てました。その辺を闊歩しているドラ猫共もまたいで通るのではないか、と思いましたよ。
それ以後コイツが釣れても持って帰ることはやめました。ドラえもんのジャイアンにちなんで、この魚をジャイアンアジと名付けました。
アジの仲間はアラビア語ではヒラアジなどを含め、どんな種類でもハマームと呼ばれています。 ところが発音を間違えるととんでもない意味になってしまいます。中東を旅行される方々、レストランでアジ料理を注文するとき、絶対にハンマームと言わないでください。これは便所の意味ですから。



当地のアジは日本の油の乘ったそれとは違い淡白な味ですが、そのうちの数種類はおいしい食材で料理にかかせません。

学名: Trachurus japonicus
英語: Saurel,
アラビア語: Hamam
和名: あじの一種
(外国産には和名はありませんが、学名にはJaponicusと付いていますから日本のアジと親戚かもしれません)
体長: 20-30cm


学名: (不明)
英語: Saurel
アラビア語: Hamam
和名: あじの一種
体長: 20-30cm


学名: Caranx leptolepis(Cuvier)
英語: Yellow-banded Trebally
アラビア語:Hamam, Garfer
和名: ほそひらあじの一種
体長: 13-18cm


学名: Caranx Kalla (Cuvier, Valenciennes)
英語: Herring Trevally
アラビア語:Hamam
和名: あじの一種 (おおあじと呼んでいました)
体長: 30-40cm




暇人のつぶやき:
日本のアジはおいしいですねえ。中東の産油地帯のペルシャ湾(アラビア湾)に生息する魚類はどういうわけか、まったくあぶらが乗っていない淡白なものばかりです。 現在、日本の漁場にこうした熱帯産の魚類が北上していると報道されています。これからの温暖化が進むにつれて水揚げされる水産物が熱帯産の魚類に取って代わる時代がきて、あのまっずいアラビアのジャイアン・アジが食卓に上がるのではないか・・・と、心配しています。
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