エイがそんなに高級魚だったなんて・・・知らなかったな

 7月22日の朝、和歌山県串本町の古座川河口に数百匹のアカエイが群れているとTVの報道がありました。 その中でエイは高級食材、からあげなどの料理が紹介されました。へえ~美味しいとは知らなかったな・・・でもあの姿を見ちゃった後はどうもねえ。エイヒレは食べたことがあるけれども。

 かつて私はサウディアラビアに赴任していました。陸地から続く砂漠はアラビア湾で途切れています。そこには多数の魚がいますから釣りを楽しまずにいられるわけはありません。

 休日に沖合で釣り糸を垂らしているといきなり大きな当たり、一瞬でプツンとハリスを切られてしまいます。なにが掛ったかわかりません。ならば太いハリスでと強靭なフロロカーボン製20号、石鯛針25号で試したところ竿先を折られてしまいました。ハリスをワイアーに変えて手巻き幹糸は40号、イカの切り身をつけあたりを待つことしばし、きたあ! そばの鉄柱に結ばれた幹糸はギンギンに張りつめています。怪我をしないように分厚い工業用の手袋をはめて仲間と引きあげました。手持ちの吊るし秤で計ってみると すごい!20kgの計量限度をはるかに上回ったエイでした。 尻尾に毒針をもっていますから危険です。


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資料出典:Kuwait National Insutitute

 食べられないな!そういって海にかえしてやりました。(図鑑で調べてみると ヒョウモンオトメ エイでした)

 こちらはアラビアの海岸での釣り、5月になると波打ち際に何匹ものエイが寝ています。小さい3~5kgのヤツです。近づくと海の中を砂煙をあげて逃げていきます。ここではキス、タイ、60cmあまりの大コチを狙うのですが、エイがかかるとプッツン!仕掛けごと持って行かれることも・・・。(こちらはアカエイです)

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 砂浜に釣り竿を突き刺して魚信を待っていると、目を離したすきに竿ごと消えていることもありました。仲間の駐在員はせっかく東京からもってきた釣り具を失い、休日の釣りの楽しみがなくなってショックをかくせません。私のスペアの釣り具を進呈して、これからは海岸の太い流木に竿をロープで結んでおきなさいと忠告しました。

 ならば、コイツを釣り上げてやろうと、仕掛けを変えて魚信を待ちました。

 きた!、リールがビビッと音を出して道糸を繰り出しています。竿をあおってポンピングを繰り返していると、アリャリャ?根がかりしたか? びくともしません。


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  じつは、エイのやつ海底にぴったりと座り込んでいるのです。リールのドラグをゆるめて待つことしばし、また動きはじめ釣り人とのファイトが始まります。釣り上げたアカエイは4kgぐらいですか・・・、また来いよとリリースしました。



 駐在員の奥さんは「エイは秋田では高級魚よ、料理してあげるから持っていらっしゃい」 といいますが、あの姿を見ちゃった後はどうもねえ・・・。食べる気はありませんよ。食堂のスリランカの人がぜひほしいというので、釣り上げたエイ2匹を持っていきました。カレーの具にするそうです。喜んでいるのは彼だけで、ほかの人たちは薄気味悪がっていましたよ。 エイはアラビア語でロホマと名前がついていますがアラブ人たちは食べません。

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 出たぞ!お化けだぞ、どうだ怖いだろ!たのむよ、悲鳴をあげて震えてよ。
 
  ちょー キモ・カワイイ わあ~   

 ガクッ!

 まあ、エイは私たち釣り人の天敵でしたが、帰任の折、記念に尻尾だけを持って帰りました。もちろん毒針の先は切っておきました。

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 尻尾の長さは1m32cmありました。                          

 ちなみにエイは北海道・東北ではカスベといい、関西でも高級食材とのこと、写真で見る料理は美味しいそうですがやめておきましょう。食べず嫌いですかねえ、私は・・・。。 

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