初めて食べたエスカルゴの味は? 日記 生活 料理
エスカルゴはフランスではカタツムリのこと、へえぇ~でんでん虫をねえ~、フランス人は悪食家なんだなあ。そういう日本人もナマコとかキモイもの食べてるじゃんバルジャン。そうダジャレを言われてしまいますね。それぞれの食文化はそれぞれの国のもの、とやかく言うことは無いでしょう。おそるおそる食べたエスカルゴ、すっかりハマってしまいました。
昔話で恐縮ですが、ある年フランスを家族で旅行中のことでした。ノートルダム大聖堂を訪れたあと、昼食をとろうとそばのリストランテに入りました。席についてウェイターがメニューを持ってきましたが、フランス語は何のこっちゃかわかりません。 隣の席では美味そうな匂いを立てている料理を食べているご夫婦がいます。平たいうす緑色の皿には小さなくぼみは沢山あって、そのくぼみの中には黒い物体がひとつずつ入っています。何だあれは? それを指さしますとウェイターは笑顔で答えました。「エスカルゴ・ブルギニオン」と・・・。
ははあ、これがうわさに聞くフランス料理のエスカルゴか、と試してみる事にしました。それに、本日のサラダとシェフおすすめの肉の煮込みを注文しました。勿論ワインも忘れません。
しばらくして隣と同じように熱々のエスカルゴが運ばれてきました。香ばしいにんにくの香りがプンと鼻をくすぐります。口の中でとろけるようです。(お決まりのセリフですがグルメ探訪記事ではありません、念のため)
エスカルゴはつぶ貝のようにほじくりだすのかと思っていましたが、ここではカラから目玉を出したぬるぬるのカタツムリのイメージとは全く異なるものでした。 Umee~
お皿のそれはアット言う間に皆のお腹に納まってしまいました。この間チビリと飲るワインもいいですねえ・・・。
続いて出てきた本日のサラダ。これも初めての味を経験することになりました。お皿に大盛りの生のマッシュルーム。いままで、マッシュルームは炒めるか、シチューの具にしか考えていなかった私には驚きです。 ウェイターはその上に刻んだパセリをふりかけてくれます。 小皿に移し、フレンチ・ドレッシングをあえて、そして一口。
いやあ~絶品。続く肉の煮込みも抜群! 残り汁もすべてパンでふきとって食べてしまいました。
お店にはハーフボトルがなくワインは普通の瓶ですから到底飲みきれません。 帰り際、「これ残ってしまったけれど捨てるの、もったいないな」とジェスチャーをまじえ日本語で言いますと、わかったのか、一寸来てくれ、と腕をつかまれ、調理場につれていかれました。
彼はやおら、ボトルに残ったワインを煮ものの鍋に流し込みました。わかったぞ、肉料理が美味いわけが!
その後、パリに行くたびにそのお店を訪ねました。期待を裏切らないいつもの味でした。
十数年後でしたか、またパリを訪れる機会があったので昼食を取りにその店に入ったときのことです。例によって、エスカルゴを注文しました。 出てきたそれはくぼみの付いた皿にならんだものでなく、カタツムリの殻が山盛りになっていました。マッシュルームサラダは「ない」の答え、メイン料理の味はこれが本場のフランス料理かと思うほどひどいものでした。きっと、シェフが替わってしまったのでしょう。
いまではマッシュルームサラダは、我が家の定番料理となっています。
その後、エスカルゴは食べる機会がありませんが、フランスのどこかで買った、殻を挟む器具だけは台所の引き出しの片隅で眠っています。
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