かっぱ橋道具街の河童たちに会いに行こう

 都営銀座線の浅草駅の一つ手前、田原町から歩いて5分、かっぱ橋道具街があります。ここには調理器具、食器、厨房設備、店の看板など何でも揃うので、これからお店を開業しようとする人にとって便利なところです。勿論、茶碗一個でも売ってくれるので、デパートなどにない掘り出し物を見つける楽しさもあります。湯のみ茶碗が欠けてしまったので、この際に足りない食器類も買おうとかっぱ橋道具街にやってきました。 さて、かっぱの意味が合羽河童のどちらなのか、これには二つの説があります。



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 ここは昔、伊予新谷藩の下屋敷があったところです。小藩の常でこの藩も財政的に苦しく、侍や足軽たちは内職で雨合羽を作り、それがずらりと並んで干されていたからという説。


 もう一つは、ここに住んでいた商人の合羽屋喜八が水はけの悪いこの地に私財を投じて掘割工事を始めたところ、隅田川に住んでいる河童たちがその義に報いるため仕事を手伝ったという説です。


画像 私は下町のかっぱ人情に満ちた?河童説をとりたいですねえ。道具街を歩きながら見渡すと、いる!いる!看板や像の河童たち。 これが雨合羽だったらお客さんは寄り付きませんよ。


 シリアスな感じの河童の像 「かっぱ河太郎」を見つけました。


 そもそも河童とはいかなる生物なりや・・・






 日本全国に出没しています。柳田国男の遠野物語、芥川龍之介の小説にもでてきますが、一般には頭に短い毛と真ん中に楕円形の皿、腹にカンガルーのような袋、手足の指には水掻きがあります。

 皮膚はカメレオンのように周りの色に変化するというものです。ガタロウ、カシャンボ などと呼ばれています。

 (テレビで放映の河童のミイラとかを見ましたがありゃウソですね)

 すみません・・・河童の説明ばかりで、肝心の買い物がどうなったかを忘れてしまいました・・・。

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 まず、湯呑み茶碗、店員がいろいろ薦めてくれましたが、歳相応に渋い奴を選びました。 洋食器の店では楕円形のスパゲティ用の皿を6枚、グラス6個、 和食器店では菜箸、ざる蕎麦の器6個、薬味入れ、そばつゆの容器2個、れんげ8本、まだまだ欲しいものがあります。 100円の小皿2枚、これは10枚単位で買って下さいとのこと・・・等々。 まだ予算内で収まっていますがこれ以上持てません。重い荷物をかかえて来た道を戻ります。


 また、河童に出会いました。

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 これでもか!と、ビルの側壁に巨大なかっぱの顔が描かれていたり、キュートなギャルかっぱの看板がありますが、公式にはこの町名の表示は「合羽橋」 、おさむらいサン達の内職だった雨合羽の方が正解だったようですねえ。


画像 河童は馬や人を川の中に引きずり込んで、尻小玉(肝)を抜いてしまうと言う悪さをします。それに相撲が大好きなのだそうです。
 これについて、いろいろな民話がありますが小学生の頃読んだ童話を思い出しました。 記憶がさだかではないので、間違っていたらごめんなさい。こんなストーリーだったと記憶しています。

画像 昔、力自慢の男が川縁を歩いていました。 すると河童たちが出てきて、「スモウ~トロ!」と誘います。男は、ははあ出てきおったなと、まず「こんにちは」と頭を下げて挨拶します。河童たちも思わず頭を下げたので、頭のお皿の水がこぼれてしまいました。河童はお皿が乾いてしまうと死んでしまいます。

 河童の力を削いでおいて、男は時間かせぎをしようとさらに策を練ります。

 「わしは腹がへっているので、今から飯を食ってくる。相撲はそれからだ」

画像 男が家に帰る途中も河童たちはぞろぞろ付いてきて口々に

 「ホトケサンノ ゴハン タベチャイヤヨ!」「ホトケサンノ ゴハン タベチャイヤヨ!」」

と心配そうに言い続けます。

 こやつ等は仏壇に供えた飯が嫌いらしい、と男は急いで仏壇の飯を食べ外に出るなり

 「さあ、ほとけの飯を食ったぞ、相撲をとろうぞ」

と大声で叫ぶと河童たちはわっと泣きながら、乾きかけた頭のお皿を手で抱えて川に逃げ帰り、二度と姿を見せなかったそうです。

 この話をインターネットで調べましたが見当たらず、一つだけですが小川原の瀬の民話の「とみへい爺さん」の逸話が似ていました。 


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 かっぱ橋の河童たちはリアルなものやユルキャラのものまで沢山あります。 私は彼らに、仏壇の飯を食っていいかな?と笑いかけて見ました。 勿論、No!の返事がかえってくるでしょう。そういえば、田原町の地下鉄銀座線の出口に仏具店がありました。ホトケサンのご飯が嫌いなかっぱ達はさすがにここまでは来ないようですねぇ。


 河童の腕は抜けて取れやすく、各地にそれが残っているそうです。 この重い荷物、家に帰るまでに私の腕も抜けそうでした。


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 「Quiax bag quo quiel, quan ?」


 これは芥川龍之介の小説「河童」の中に出てくる河童語の挨拶です。あなたもかっぱ橋道具街の河童に会いに行きませんか。


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