アラビアの砂漠はアラビアのらくだで渡れー実際に見たアラブの格言

  長年、暑い砂漠の国で暮らしていると、ちょっとした距離でも車で移動するので運動不足になりがちです。脚の筋肉が衰えたのか膝痛がひどく病院で治療をうける羽目になりました。当地はイスラム社会、町では女性の顔を見る事はめったにありません。 病院で働いているエジプト人やシリア人の看護師サンは、当地のご婦人のような黒いベールのかわりに白いスカーフをかぶっているだけです。彼女たちの美しい笑顔をあてにして整形外科に行きました。


 期待に反して、ここの看護師サンは白衣に黒いベールをかぶっており、目しか見えませんでした。それでも失望しなかったのはそのアンバランスがやけに映えて魅力的に見えたからでしょうね。アラビア語で「こんにちは」と挨拶をしてもツンとして答えてくれなかったから、きっと地元の厳格なイスラム家庭でそだったお嬢さんだからでしょう。 
 
 ともあれ、エジプト人のお医者サンとアラブ流に長々と挨拶をかわした後、病状を説明しました。だが、彼の医療技術がそれほどでもないのか私の英語がつたなかったのか判りませんが、あまり理解をしてもらえなかったようです。 
 
 こりゃ、駄目かな・・・だんだん心配になってきました。それを察した彼は言いました、

 「大丈夫、砂漠を渡るキャラバンはその土地のらくだを選ぶという、まあ、まかせてください」

 つまり、「アラビアの砂漠はアラビアのらくだで渡れ」という格言です。

画像

 これと同じような格言に 「シリアの羊はシリアの犬で追え」というのがあります。これらはお分かりのように我々が使う「郷に入らば、郷に従え」のたとえです。

 お医者サンはニコニコしながら後ろを指差しました。そこには最新鋭の医療機器がずらりと並んでいました。聞けばドイツから輸入したものだそうです。

 その機器で治療を受けてから一週間で膝の痛みは去りました。ウ~ム・・・、アラビアの砂漠はベンツ〔ドイツ車〕で渡れ」ですかねえ。

画像 最近の若い(らくだの)奴らときたら苦労を知らない。車で運ばれるなんて砂漠の舟の名が泣くよ、まったく、
も~! 
 
新しい格言を作ってみました。



「アラビアの砂漠を渡るには、らくだをトラックに乗せろ」

 それにしても、このらくだ、何とも気持ちよさそうな顔をしていますねえ。 

ア~ らくだ!お後がよろしいようで・・・・

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