アラビア湾の海底散歩道
サウジアラビアの東部、アラビア湾(ペルシャ湾)に面したカフジ。単調な沙漠の生活の中で、アラビアンブルーの海は心のよりどころです。 会社が引けたあと、また、休日には、ダイビング(シュノーケリング)を楽しむことが出来ます。
カフジは沙漠特有の乾燥地帯ですから、最高気温も1月は17℃、3月には20℃を越え、真夏の8月には42℃となります。
一方、水温は1月、17℃ 3月、23℃と気温よりむしろ高く、8月には33℃になり水中でも日本の真夏日の気温とおなじ位になります。だから温泉プールに入っているようで、泳いでいて汗をかくほどです。 12月も水中は20℃ですから、その気になればダイビング(シュノーケリング)は一年中できるわけです。
しかし、冬場は海が荒れますから、海中の視界が悪くダイビングは面白くありません。 3月末には海中のところどころに海藻が繁茂して、いわば、海の春が訪れるのです。 さあ、これからが本番です!
注: 最高気温、水温は30年間(1971~2000)の平均
カフジの海は遠浅で岸から200メートル先でも水深は3~5メートル位、シュノーケリングにはもってこいの水深です。 しかし、海底は陸上の沙漠そのままの姿でカーキ色の砂地が延々と続き、そこには魚の姿はありません。 イモ貝がはいずりまわっているくらいです。
水中の沙漠の旅は岩や投棄物を目印にして泳ぎ続け、目的のサンゴ礁にむかいます。
突然、目の前にあらわれた小さなサンゴ礁。そこは魚たちが住む憩いのオアシスでしょうか。
海の舞姫、チョウチョウオが乱舞しています。 不意の闖入者は歓迎されないのか、彼女達は逃げ散ってしまいました。
しばらく、海底で息を詰めて待ちます。
ようやく、撮影許可がおりました。ふう!
アラビアのダウ船が落としていったのか、海底に横たわる古びた錨のチェーン。これも海底の散歩道の絶好の道しるべです。
前を横切る10センチほどの可愛いモンツキダイ。多分、ここは彼らの通学路なのでしょう。
ここにも名も知れぬ魚の群れ、メジナの仲間でしょうか。
ヒオウギ貝もこのサンゴのあいだに住居を構えています。美味な貝なので獲り過ぎて、数が減って、しまいました。
ウニは日本でもお馴染みのムラサキウニのほか、とげが20センチもある大型のウニが生息しています。 (中)
とげに刺されないように要心していても、いつのまにやら刺さっています。なかなか抜けませんから、あとで大変です。
食べてやろうと割ってみましたが、どのウニも中には黄色の身がなくドンガラばかり。がっかりですね。
テーブル型のサンゴの道しるべ。
次のルートに向います。やれやれ、疲れたな!
ここにもスズメダイとオヤビッチャの群れ。
色とりどりの熱帯魚の群れに飽きる事がありません。
エイやバラクーダの姿を見ることもあります。
さあ、最終コースの岩だなが見えてきました。ここには巨大なハタが住んでいます。今日は姿が見えませんね。
前にはサメに出会いました。水中では大きく見えましたが実際は1メートルくらいの奴だったのでしょう。でも、あわててこの岩の陰にかくれました。 奴が去るまで息を詰めたままでした。その苦しかった事!
一巡して出発点に戻ってきました。 爽やかな疲労が身に押し寄せます。
「おかえりなさい」
子供たちが出迎えてくれます。彼らもいつの日か、この海の散歩の楽しさを味合うことが出来るようになるでしょう。
海は広いな !
コメント
コメントを投稿