出たぞ! 対ゴキブリ日本戦、サウジ戦

  また出た! 長い付き合いだが歓迎されぬ来訪者。 今日のヤツは攻撃的です。長い髯をふるわせ、こちらに向ってきます。 途端、羽を広げブーンと天井の照明に止まりました。よし、こ奴め、イタイ目にあわせてやる。いつものように新聞紙を丸めます。 残念、空振り。 ゴキブリは床にとびおり、戸棚の隅に隠れてしまいました。若い頃は百発百中だったのに、もう年だな。徹底して探しても、あれ?その姿は消えてしまった。まったく腹がたつヤツです。

 3億年前からこの地球に暮らしているゴキブリ、人類よりずっと先輩だから威張るのは当たり前かもしれませんが、こげ茶色の気味の悪いこ奴、我らご先祖さまもこいつと仲良しだったとは思いません。

 日本のゴキブリは敏捷で、なかなか捕まらないから人間は知恵で対抗します。 ゴキブリホイホイやコンバット。だが、我が家に仕掛けてあるそれには、最近は一匹もかかっていないのは何故でしょうか?しかし、ゴキブリが一匹いればその一族は10匹侵入しているといわれています。

 世界中にいるゴキブリ。英語で「コックローチ」、スペイン語では「クカラーチャ」。  ラテン音楽では ラ・クカラーチャ、クカラーチャ と陽気ですが、こいつら!本当に陰気でいやな虫けらですよ。 あなどっていたら、ひどい目にあいました。
 私がかつて勤務していたサウジアラビアでは、ゴキブリは日本のものより大きくノソノソしています。だからティッシュペーパーで捕まえる事が出来ます。それでも数が多いので、日本からゴキブリホイホイを山ほど買ってきて方々に仕掛けました。 しかし、どうも、こいつらは和風の味が合わないらしいのです。豆粒ほどの奴は好奇心から入ってきますが、でかいのはこれに掛かったためしはありません。 代わりに大きなヤモリ君が身動き取れずにいました。

 当地は夏場には気温は50℃近くにもなります。だから、奴らは涼しいところを好むようです。独身寮の部屋の排水口から出没しているのが目につきました。下水溝のふたをあけてみると、何百匹の群れが張り付いています。早速、ここのスーパーで売っている人体にも影響が出そうな強力殺虫剤をまるまる一本使って退治しました。 

 それでも、奴らはめげずに侵入してくるのです。休暇で一ヶ月ほど日本に帰っている間、部屋には生ごみが出ませんからやつらは食べるものがありません。アラビアに戻って見るとマージャン台の緑の布が、あらかた食い尽くされていました。 

 その夜中のことです。 ふと目が覚めると頭に何かがいるので、さぐるとグチャ!ゴキブリを掴んでしまいました。 奴らは空腹のあまり、私の髪の毛を食べにきたのです。 まくらには10数本の食いちぎられた髪がありましたから、 一匹じゃない、何匹も私の頭にへばり付いていたに違いありません。 ワッワッ やばい! あわてて、浴室に飛び込みシャワーで念入りに洗いました。

 奴らの隠れ家は台所の調理台の後ろです。 その隙間をライトで照らして見るとザワザワと触覚がうごめいているのがわかりました。 いたいた、ゾゾゾッ!!こりゃあ、駆除せにゃならん。

 とにかく、その夜は一睡も出来ないでいましたよ。陸上のピラニアみたいなこいつら、うっかり寝込んでしまったらどうなる事でしょうか。

画像 翌日の夕方、会社が引けてからアラブ人、インド人ボーイ2人と私の4人で多国籍軍を組み、殺虫剤とハエ叩きで武装します。殲滅作戦を開始、そっと、調理台を動かし一斉に殺虫剤を噴射しました。
 ゴキ軍は、四方八方に逃走、居間に入らないようにハエ叩きでひっぱたきますが、数が多く追いつきません。ほうきで掃いて、もとに追い返します。
4缶もあった殺虫剤はあっというまに空になってしまいました。                                                                      
                              
 戦いは終わりました。 ドアから外に逃げだした奴は5メートル先でくたばっています。居間に入った奴はベッドの下までたどり着けずもがいています。すごい威力の殺虫剤、マスクをしていましたが、こちらの肺に影響するのではと心配になってきます。 ほうきではき集めてみると大きなものから小さなものまで数百匹ものゴキブリが獲れました。驚いたな、もう! 

                         
 アラブ人もインド人もびっくり、駆除料の割り増し料金を請求してきましたが仕方ないですね。

 暑いのは我慢して一晩中窓を全部開け放ち、部屋の換気をしても殺虫剤の匂いは翌日も消えません。 隣室の住人からも文句をいわれ、ゴキブリは退治したものの当分の間スカっとした気分にはなれませんでした。


             ・・・・・・・・・・・・

 さて、こちらは日本です。今日も新聞紙をまるめ一匹のゴキブリが戸棚のうしろから出てくるのを待っています。失敗すれば女房に責められます。

 今度こそ逃がすものか !!  

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