ちょっと変ったお地蔵さんー美肌成就のおしろい地蔵
東京都港区、地下鉄南北線の白金高輪を下車、ここから三田にむけ歩いてみると無数のお寺が目につきます。
高台のこの一帯の坂には、幽霊坂、蛇坂などちょっと恐ろしげな名前がつけられています。これはお寺が密集しているために、昔は昼間も樹木が鬱蒼と茂って薄暗く、夜にはまったく人通りが絶えて気味が悪いところから、そう呼ばれてきたものでしょう。今ではマンションなどが立ち並ぶ住宅地帯で、それらの坂は夜でも明るいところですからそんな怖いところではありません。
幽霊坂、東京には同じ名の坂が7つもあるようです。
ここ、三田4丁目の幽霊坂の途中にある「玉鳳寺」、山門の左手の御堂には一風変ったお地蔵さんが祀られています。
通称、おしろい地蔵。
正しくは御化粧延命地蔵尊です。
お堂に入って驚くのは、お地蔵さんの全身におしろいが塗られていることです。 延命長寿、無病息災、美肌成就のご利益がある、とのことです。
お堂に備えられたノートには、参拝した人々のの願いや、病が癒えたとのお礼の言葉が書き連ねてありました。
このお地蔵さんのお顔は、一般に見られるお地蔵さんのふっくらした童顔と違って凛々しく、なかなかのイケメンとお見受けしました。 しかし、白粉の厚化粧は歌舞伎役者のようです。
台座には誰が供えたのか、ベビーパウダーの缶が置かれています。 美肌成就、美しい肌になりたい女性たちが、お地蔵さんのお顔をパタパタとはたいて、願をかけているのでしょうか。
私は延命長寿、無病息災を祈願して、お堂をあとにしました。
お寺の境内には可愛らしいお地蔵さんがならんでいます。 一つ一つの顔の向きや表情が違うのが愉快です。
玉鳳寺は寛永12年(1635年)に八丁堀から現在の三田に移転してきました。
山門の左側の地蔵堂に安置されている地蔵は、移転前の寛永年間に八丁堀の地蔵橋畔に捨てられていたものを当時の住職格翁宗逸和尚が修復しました。
白粉を塗って祀ったところ和尚の顔の痣が消えたといわれています。それから、人々は自分の体の病気と同じところに白粉を塗って祈願するようになったと伝わっています。
(出典:東京都港区文化財のしおりから抜粋)
山門は明治39年檀信徒総代であった高橋是清翁が寄進したものです。
おしろい地蔵(玉鳳寺)へのアクセスは: 地下鉄:南北線、三田線 白金高輪下車
浅草線、泉岳寺下車
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