アラビアの沙漠を家族でサイクリング!

 サウディ・アラビアのアル・カフジ。ここに石油会社の基地があります。私は家族とともに1976年から1981年まで暮らしていました。周囲が沙漠の単調な生活、そこではいろいろとレジャーを考えださねばなりません。普段、子供たちは自転車で安全なコンクリート舗装の社宅の中を走り回って遊んでいます。しかし、せいぜい、周囲が2kmの限られた場所だけです。これでは飽きてしまいます。そこで、週末、家族揃って郊外の沙漠にサイクリングを試みました。


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    緑ゆたかな社宅の中、子供たちはここでしか遊べません

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 サウディアラビアの東部地方の沙漠は、アフリカのサハラのようなさらさらした砂の沙漠と違って、ごつごつした荒地です。いわゆる土漠とも言えましょう。そこでは砂の吹き溜まりもあり、そんな所を車でドライブすると砂にタイヤがめり込んでしまって走行不能になることもしばしばです。しかし、誰かが通った車のわだちの跡を辿って行けば、タイヤが砂に埋もれることもないのです。
 
 さて、当日は、お弁当、十分な水、それに、子供用2台、大人用1台 また、車が砂でスタックしたときの用意にスコップや古い毛布、板切れなどを愛車(アメ車)のトランクに詰込み、ふたを開けっぱなしのままで郊外の沙漠へ向いました。勿論、社宅の日本人隣人には行き先、帰宅予定時間のメモを渡しておくことは忘れません。

 4月中旬ともなれば当地の気温はもう35℃を越えています。これは測候所のデータですから沙漠の中はもっと暑いだろうと思われます。

 沙漠はもう冬場の雨季が過ぎ、ぬかるんだ大地は乾いています。しかし、スタックしないよう慎重に車を進めてゆきます。時折、車の腹をガリガリこするいやな音を聞きながら、メイン道路から10キロほど入った沙漠で車を止め、ここをベース・キャンプにしました。丁度、360度全体が地平線の風景となるところです。

画像 安定した北風が吹いています。安全のため用意したゲイラ・カイト(三角形の凧)を揚げ、車のサイド・ミラーに縛り付けました。100メートルの糸は伸びきって凧は上空でびくともしません。子供たちにはこの凧が見える範囲で、走りなさい。と注意を与えました。

 沙漠のサイクリングは大人でも愉快です。積んできたチャチなママチャリでわざと荒地を選んでジャンプしながら走るその爽快さ。マウンテンバイクで一日がかりで競争したらもっと面白いかもしれません。 

画像 近くに沙漠の遊牧民(ベドウィン)がキャンプをしていました。 らくだや羊が沙漠に生えている草を食んでいます。
 この沙漠のもっと奥に入れば、なだらかな起伏の丘や乾いた河床(ワジ)もあって、パリ ~ ダカールのレース気分になれるでしょう。 しかし、車でも遠いところです。今日は諦めよう。
 
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 好奇心の強い羊たちがなにごとか?と近寄ってきました。

  大自然の中、時間が経つのをすっかり忘れてしまいました。
 
 子供たちがいなくなった。大変だ! 沙漠で迷ったら助かりません。頼みの凧はあいかわらず、上空に止まったまま安定しています。
 サウディ・アラビアのアル・カフジ。ここに石油会社の基地があります。私は家族とともに1976年から1981年まで暮らしていました。周囲が沙漠の単調な生活、そこではいろいろとレジャーを考えださねばなりません。普段、子供たちは自転車で安全なコンクリート舗装の社宅の中を走り回って遊んでいます。しかし、せいぜい、周囲が2kmの限られた場所だけです。これでは飽きてしまいます。そこで、週末、家族揃って郊外の沙漠にサイクリングを試みました。

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    緑ゆたかな社宅の中、子供たちはここでしか遊べません

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 サウディアラビアの東部地方の沙漠は、アフリカのサハラのようなさらさらした砂の沙漠と違って、ごつごつした荒地です。いわゆる土漠とも言えましょう。そこでは砂の吹き溜まりもあり、そんな所を車でドライブすると砂にタイヤがめり込んでしまって走行不能になることもしばしばです。しかし、誰かが通った車のわだちの跡を辿って行けば、タイヤが砂に埋もれることもないのです。
 
 さて、当日は、お弁当、十分な水、それに、子供用2台、大人用1台 また、車が砂でスタックしたときの用意にスコップや古い毛布、板切れなどを愛車(アメ車)のトランクに詰込み、ふたを開けっぱなしのままで郊外の沙漠へ向いました。勿論、社宅の日本人隣人には行き先、帰宅予定時間のメモを渡しておくことは忘れません。

 4月中旬ともなれば当地の気温はもう35℃を越えています。これは測候所のデータですから沙漠の中はもっと暑いだろうと思われます。

 沙漠はもう冬場の雨季が過ぎ、ぬかるんだ大地は乾いています。しかし、スタックしないよう慎重に車を進めてゆきます。時折、車の腹をガリガリこするいやな音を聞きながら、メイン道路から10キロほど入った沙漠で車を止め、ここをベース・キャンプにしました。丁度、360度全体が地平線の風景となるところです。

画像 安定した北風が吹いています。安全のため用意したゲイラ・カイト(三角形の凧)を揚げ、車のサイド・ミラーに縛り付けました。100メートルの糸は伸びきって凧は上空でびくともしません。子供たちにはこの凧が見える範囲で、走りなさい。と注意を与えました。

 沙漠のサイクリングは大人でも愉快です。積んできたチャチなママチャリでわざと荒地を選んでジャンプしながら走るその爽快さ。マウンテンバイクで一日がかりで競争したらもっと面白いかもしれません。 

画像 近くに沙漠の遊牧民(ベドウィン)がキャンプをしていました。 らくだや羊が沙漠に生えている草を食んでいます。
 この沙漠のもっと奥に入れば、なだらかな起伏の丘や乾いた河床(ワジ)もあって、パリ ~ ダカールのレース気分になれるでしょう。 しかし、車でも遠いところです。今日は諦めよう。
 
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 やきもきして、自転車で探しに向おうとした時、はるか地平線にポツンと砂煙が見えました。 ややあって2台の自転車が走っているのが見えてきました。 やれやれ,しょうがないヤツらめ!


画像 はあはあ、息を吐きながら戻ってきた子供たち。「たこがよく見えたよ」

 こちらの言いつけは守っていました。それにしても、用意した水筒を持っていかなかったとは・・・うかつでした。


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お昼どき、用意したサンドイッチが美味しい。 冷たい麦茶で乾いた喉を潤します。

 腹こなしには、子供たちとキャッチボール。バットで思い切り打ったボールが沙漠を跳ねながらどこまでも転がってゆきます。なにをやろうと、ここでは誰の束縛も受けません。

 わが子だけでなく遊び場のない東京の子供たちにものびのびとした気分を経験させてやりたいわね、と妻が話しかけてきました。 

 閉ざされたアラビアの勤務地。その中にあって誰もいない砂漠のリクレーションは、いつまでも良い思い出として残ることでしょう。

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