もしかして、エチゼンクラゲは古代火星人の末裔なのか?
一体、どうなっているのでしょうか、地球の生態系は? 日本海は体長2メートルものエチゼンクラゲで埋め尽くされそうです。 定置網の操業も見合わせになったとか、漁師さんの生活も脅かされています。 クラゲの産卵地域は黄海から韓国南岸、それに九州の有明海まで拡大している、ということです。 これを止める対策はあるのでしょうか? 獲っても獲っても、増え続けるクラゲ、人類とクラゲの戦争が始まったようです。 その将来をSF的シミュレーション・エッセイでまとめて見ました。もしかして、エチゼンクラゲは火星人だった???
プロローグ:
太古の時代、水も空気も少なくなってきた火星から知的生物が地球に移住してきた。だが、火星人にとって地球の環境はあまりにも厳しかった。彼らは地球の重力から逃れるために、海の中で生活することを選んだ。
何万年もの時間が経過するうちに、元々ぐにゃぐにゃだった彼らの身体はしだいに透明になり、高度な知能も退化してしまった。 これが後に「クラゲ」と呼ばれるようになった海洋生物である。
地球暦21世紀:
陸上では人類といういささか凶暴な性格をもった生物が地球を支配していた。 彼らは海で魚類を拉致し野蛮にもそれを食いあさっていた。しかし、火星人の末裔であるクラゲは不味いのでほとんど食べる事をせず、そのおかげで彼らは増加していった。
増殖するクラゲを人類は厄介者ときめつけた。人類と無抵抗主義のクラゲ族との戦いが、いよいよ始まったのである。
人類のめちゃくちゃな地球の自然破壊は進み、海水温度も上昇し海の富栄養化が進んだ。クラゲ族にとっては、故郷の火星がそうであってように絶好の環境に変化してきたのだ。人類との戦いで虐殺され続けた彼らはその重圧をはねかえし、世界中の海に広がっていった。
地球暦50世紀:
ある時期、クラゲ族の一部に進化が起こった。恐らく太古の火星の知的DNAが呼び覚まされたのであろう。彼らの一年しかない短い一生で、その知能進化サイクルは爆発的に繰り返された。なにしろ、 単体生殖で親から子へ、そのまた子へと知識と技能は次から次へと累積していったからだ。 そのうち、彼らは先祖の火星人よりも進化してしまった。 クラゲ人の誕生である。
人類とクラゲ人の戦いは、海中から、陸上へと移った。 核兵器をもった彼らは地球上の陸地にクラゲ型の原子雲を撒き散らした。人類は、なすすべを失った。
地球暦100世紀:
高度文明をもった海底王国のクラゲ人は今やいたるところで繁栄していた。進化を遂げ、目も鼻もそなわった彼らは、こんぶのドレスやほんだわらのミニスカート、ひとでのイヤリングなどの流行ファッションで身を飾っていた。
海底電車の中では、堂々とひじきのマスカラなんかをつけて化粧をするガングロ・クラゲもいて、皆のひんしゅくをかった。
サメに乗ったクラゲ暴走族が出現したのもこの頃のことである。
地球暦150世紀:
全世界の海は地球の支配者であるクラゲ人であふれかえった。ある地域では海底地価が暴騰し、バブルがはじけた。海底トンネルや高速道路など公共事業で談合がおこなわれ、違反が摘発された。この裁判で明快な判決を下した名裁判長オーオカ・エチゼンクラーゲ氏の名はのちのちまで語り継がれることとなった。
海だけにあきたらない彼らは、もう人類が絶滅してしまった陸地までレジャーに足 (失礼!触手)をのばした。
海岸では若いクラゲのスキューバ・クライミングが流行した。 彼らはトレジャーハンティングで、ゲームソフトと呼ばれていた化石の収集に奔走した。 これを持ちかえれば一攫千金、海底 IT バンク社が高値で引き取ってくれるからだ。
アンコウやホタルイカのネオンまたたく海の繁華街では ゲームセンターが軒をつらね、未成年クラゲの補導がおこなわれるなど社会問題となった。
一方、陸上の化石を地道に研究する学者グループもいた 彼らは探検隊を繰り出し、かつて人類が暮らしていた遺跡を歩き回った。 世界遺産に登録するためだ。
隊員のひとりが妙な遺物を拾った。陸藻のパピルスで作られた分厚い本である。
著名な海洋学者ジェリー・クラゲーノ教授はこの遺物の研究に没頭した。 解読は進んでいった。この化石資料は陸上で生活していた凶暴な「人類」とよばれた種族の生活を記したものである事がわかった。
解読はなおも進んだ。ある日、クラゲーノ教授は新しい発見に驚愕の表情を浮かべた。
このパピルスのタイトルが「サザエさん」であること、いまや、海底の天然記念物で保護されているカツオ、ワカメ、タラなどが、かつて陸上で平和裡に暮らしていたことが判明したからだ。
人類はけして凶暴ではなかったのだ。
「歴史認識を変えねばならないな」
そうつぶやいて、クラゲーノ教授はふう~っと深いため息(いや、違った。もとい!)
ため海水を吐いた。 (おしまい!)
こんな結末にならないように!
太古の時代、水も空気も少なくなってきた火星から知的生物が地球に移住してきた。だが、火星人にとって地球の環境はあまりにも厳しかった。彼らは地球の重力から逃れるために、海の中で生活することを選んだ。
何万年もの時間が経過するうちに、元々ぐにゃぐにゃだった彼らの身体はしだいに透明になり、高度な知能も退化してしまった。 これが後に「クラゲ」と呼ばれるようになった海洋生物である。
地球暦21世紀:
陸上では人類といういささか凶暴な性格をもった生物が地球を支配していた。 彼らは海で魚類を拉致し野蛮にもそれを食いあさっていた。しかし、火星人の末裔であるクラゲは不味いのでほとんど食べる事をせず、そのおかげで彼らは増加していった。
増殖するクラゲを人類は厄介者ときめつけた。人類と無抵抗主義のクラゲ族との戦いが、いよいよ始まったのである。
人類のめちゃくちゃな地球の自然破壊は進み、海水温度も上昇し海の富栄養化が進んだ。クラゲ族にとっては、故郷の火星がそうであってように絶好の環境に変化してきたのだ。人類との戦いで虐殺され続けた彼らはその重圧をはねかえし、世界中の海に広がっていった。
地球暦50世紀:
ある時期、クラゲ族の一部に進化が起こった。恐らく太古の火星の知的DNAが呼び覚まされたのであろう。彼らの一年しかない短い一生で、その知能進化サイクルは爆発的に繰り返された。なにしろ、 単体生殖で親から子へ、そのまた子へと知識と技能は次から次へと累積していったからだ。 そのうち、彼らは先祖の火星人よりも進化してしまった。 クラゲ人の誕生である。
人類とクラゲ人の戦いは、海中から、陸上へと移った。 核兵器をもった彼らは地球上の陸地にクラゲ型の原子雲を撒き散らした。人類は、なすすべを失った。
地球暦100世紀:
高度文明をもった海底王国のクラゲ人は今やいたるところで繁栄していた。進化を遂げ、目も鼻もそなわった彼らは、こんぶのドレスやほんだわらのミニスカート、ひとでのイヤリングなどの流行ファッションで身を飾っていた。
海底電車の中では、堂々とひじきのマスカラなんかをつけて化粧をするガングロ・クラゲもいて、皆のひんしゅくをかった。
サメに乗ったクラゲ暴走族が出現したのもこの頃のことである。
地球暦150世紀:
全世界の海は地球の支配者であるクラゲ人であふれかえった。ある地域では海底地価が暴騰し、バブルがはじけた。海底トンネルや高速道路など公共事業で談合がおこなわれ、違反が摘発された。この裁判で明快な判決を下した名裁判長オーオカ・エチゼンクラーゲ氏の名はのちのちまで語り継がれることとなった。
海だけにあきたらない彼らは、もう人類が絶滅してしまった陸地までレジャーに足 (失礼!触手)をのばした。
海岸では若いクラゲのスキューバ・クライミングが流行した。 彼らはトレジャーハンティングで、ゲームソフトと呼ばれていた化石の収集に奔走した。 これを持ちかえれば一攫千金、海底 IT バンク社が高値で引き取ってくれるからだ。
アンコウやホタルイカのネオンまたたく海の繁華街では ゲームセンターが軒をつらね、未成年クラゲの補導がおこなわれるなど社会問題となった。
一方、陸上の化石を地道に研究する学者グループもいた 彼らは探検隊を繰り出し、かつて人類が暮らしていた遺跡を歩き回った。 世界遺産に登録するためだ。
隊員のひとりが妙な遺物を拾った。陸藻のパピルスで作られた分厚い本である。
著名な海洋学者ジェリー・クラゲーノ教授はこの遺物の研究に没頭した。 解読は進んでいった。この化石資料は陸上で生活していた凶暴な「人類」とよばれた種族の生活を記したものである事がわかった。
解読はなおも進んだ。ある日、クラゲーノ教授は新しい発見に驚愕の表情を浮かべた。
このパピルスのタイトルが「サザエさん」であること、いまや、海底の天然記念物で保護されているカツオ、ワカメ、タラなどが、かつて陸上で平和裡に暮らしていたことが判明したからだ。
人類はけして凶暴ではなかったのだ。
「歴史認識を変えねばならないな」
そうつぶやいて、クラゲーノ教授はふう~っと深いため息(いや、違った。もとい!)
ため海水を吐いた。 (おしまい!)
こんな結末にならないように!
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