ウニは旨いな、美味しいな・・・

 ウニ、私の少年時代は家で寿司を取ってもこれは大人の食べ物だからとウニの軍艦巻きは食べさせてもらえませんでした。だから私が給料をとりはじめ寿司屋に行ける身分になるまでその味を知りませんでした。 ある時いつものマグロやイカなどのあと、恐る恐る(値段のこともありましたが)「ウニ」といって握ってもらいました。「・・・・・・! 口の中でうまい!」のひとこと。 ウンメーエ 

 それからはすっかり虜となりました。塩ウニ、粒ウニなど熱いご飯に乗っけてふうふう言いながら食べる味も格別です。 だが物足りない、食べる量が一寸だけだからです。 毎回もっと食べたいという気持ちが残ります。これが、ウニの味を神秘化したのかもしれませんね。

 回転寿司でもウニは供されますが、ベルトに乗っかって出てくるそれは、私の前にくるあいだに何本も手が出てきて、なかなかゲットできません。そのため皿を取るに有利な席を物色することにしました。

 回転寿司のウニは片方に寄っていて、もう一方にはきゅうりがデカイ顔をして乗っかっています。(きゅうりはさしみのツマと同じですね。 まあ、世間一般ではツマが家庭では幅をきかしているのが一般的ですから?仕方ないですね。)一皿では物足りない、隣の人を気にしながらもつい2皿3皿は取ってしまいます。それでももっと欲しい。いつの日にか腹一杯ウニが食べたい、 残念ながら、この願望はこの年になっても叶っていません。

 さて、私がアラビアで仕事をしていた時です。 寿司好きの私はここでも寿司を食べたいと、休日には海で釣りをしたり、潜ったりして、ネタを確保していました。

 私が住む部屋の前に広がるアラビアの青い海にはウニが無数に生息しています。日本と同じムラサキウニ、バフンウニ、それにソフトボール大の棘が20センチもあろうジャンボウニです。 これらを活用しない手はありません。食用となりそうなムラサキウニをバケツ一杯獲りました。
画像
海底の岩肌のいたるところにウニは群生している。
 中央が棘が20cmもあるジャンボウニ


 割ってみると期待はずれでした。オレンジ色の卵巣がびっしりと入っていると思いきや中は空っぽで小さな黒い内臓しか入っていません。何個に一個かには申し訳程度に耳掻き一杯くらいのいわゆる「ウニ」であろうものがあります。 

 長時間かけて、ようやくスプーン一杯分がとれました。 早速試食しましたが途端、「ナ・なんだ、これは」と吐きだしました。生臭くてにがい、労多くして益無しとはこのことです。 それ以来、獲ることをやめてしまいました。

画像 このウニ、泳いでいるといつの間にか棘がささっており、後になってから神経にさわる痛みとなって伝わってきます。刺抜きで抜いてもムラサキ色の跡が皮膚に残ってしまう厄介者なのです。

 小学生唱歌じゃないが、アラビアウニは「♪ウニはひどいな大きいな~」の一言に尽きます。 

 このかたきは東京の寿司屋でとってやるか・・・。

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