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4月, 2007の投稿を表示しています

ご用心! あなたのパスポートは大丈夫?

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  「まあ、可愛い! どこから来たの、いくつなの?」 車を降りた二人の子供たちににこやかに近寄ってきたのは、シックなモードで身を包んだ上品なマダムである。  ヨーロッパをドライブ旅行中、パリに着いたその町かど。そんなマダムの言葉に、私の友人は夫婦そろって車を降りた。子供たちに頬摺りしてくれるマダム。親として嬉しい光景である。言葉をかわすのも礼儀であろう。  これが、甘い罠であることは考えもしなかった。数分後、手を振って別れの挨拶をかわし脇の車に戻った。  やられた!  車の中の荷物は一切合財消えていた。パスポートも、だ。  外国旅行中、パスポートは自分の身分を示すもの、いわばその人の分身である。しかし、楽しい旅行中、ともすればパスポートは持参したガイドブックよりも粗末に扱われていないだろうか。出入国やホテルのチェックイン(あるいは免税店)の煩わしさの時だけでしか用をたさないのだから・・・。  まずは、私自身の経験談から、始めたいと思う。  エジプトを旅行中のことである。 海外勤務が長くなった私のパスポートは合冊をかさね、分厚くなっていた。妻も同様である。おまけに、子供たちの分も妻のパスポートから分冊したばかりで、これを全部持ち歩くにはポケットには入りきれない、バッグが必要である。  アスワンのホテルで子供たちを寝かしつけたあと、友人夫妻と買い物に出かけることとなった。当時、パスポートはこんな時でもかならず持ち歩くのが常であった。  買い物をすませ、荷物をかかえナイル河のほとりに出た。川面を煌々と月が照らしている。われわれはベンチに座って、しばしその幻想的なエジプトの風景に魅せられていた。  さて、ホテルに戻ろうと立ち上がった時、「ない!」妻のハンドバッグがなくなっているのに気がついた。ショルダー型でしっかりと肩にかけていたのに、見事、バッグの丈夫なバンドが切られそれだけ肩に残っていた。泥棒はうしろからベンチに忍び寄り盗んだのだ。われわれはその気配すら感じなかった。    やられた!  大変だ! 中には、私と妻のパスポートが・・・、  と目の前が暗くなるようなショックを受けた。赴任地の国にもどるには、一度日本に戻りパスポートを再発行してもらい、その国の在日大使館で再び就労Visaを取り直さねばならない。そのための航空チケットのお金をどう工面すればよいのか、Visaの取

アラビアの沙漠を家族でサイクリング!

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  サウディ・アラビアのアル・カフジ。ここに石油会社の基地があります。私は家族とともに1976年から1981年まで暮らしていました。周囲が沙漠の単調な生活、そこではいろいろとレジャーを考えださねばなりません。普段、子供たちは自転車で安全なコンクリート舗装の社宅の中を走り回って遊んでいます。しかし、せいぜい、周囲が2kmの限られた場所だけです。これでは飽きてしまいます。そこで、週末、家族揃って郊外の沙漠にサイクリングを試みました。      緑ゆたかな社宅の中、子供たちはここでしか遊べません        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  サウディアラビアの東部地方の沙漠は、アフリカのサハラのようなさらさらした砂の沙漠と違って、ごつごつした荒地です。いわゆる土漠とも言えましょう。そこでは砂の吹き溜まりもあり、そんな所を車でドライブすると砂にタイヤがめり込んでしまって走行不能になることもしばしばです。しかし、誰かが通った車のわだちの跡を辿って行けば、タイヤが砂に埋もれることもないのです。    さて、当日は、お弁当、十分な水、それに、子供用2台、大人用1台 また、車が砂でスタックしたときの用意にスコップや古い毛布、板切れなどを愛車(アメ車)のトランクに詰込み、ふたを開けっぱなしのままで郊外の沙漠へ向いました。勿論、社宅の日本人隣人には行き先、帰宅予定時間のメモを渡しておくことは忘れません。  4月中旬ともなれば当地の気温はもう35℃を越えています。これは測候所のデータですから沙漠の中はもっと暑いだろうと思われます。  沙漠はもう冬場の雨季が過ぎ、ぬかるんだ大地は乾いています。しかし、スタックしないよう慎重に車を進めてゆきます。時折、車の腹をガリガリこするいやな音を聞きながら、メイン道路から10キロほど入った沙漠で車を止め、ここをベース・キャンプにしました。丁度、360度全体が地平線の風景となるところです。  安定した北風が吹いています。安全のため用意したゲイラ・カイト(三角形の凧)を揚げ、車のサイド・ミラーに縛り付けました。100メートルの糸は伸びきって凧は上空でびくともしません。子供たちにはこの凧が見える範囲で、走りなさい。と注意を与えました。  沙漠のサイクリングは大人でも愉快です。積んできたチャチなママチャリでわざと荒地を選んでジャンプしながら走るその爽