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明治の鉄道路、高輪築堤を見てきました

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    JR高輪ゲートウェイ駅の周辺の開発で明治時代の「高輪築堤」が出土しました。日本で初めて鉄道が敷設された際、海上に作られた鉄道路の跡です。明治5年、新橋(汐留)―横浜間の鉄道の開通にあたり、土地買収の難しさから線路は当時の海岸線から50メートル沖合の築堤の上に敷設されました。その後、海岸の埋め立てによって現在のJRの線路網となり、この築堤は姿を消してしまいました。  梅雨の合間、天気も良いので散歩がてらここを訪れてみました。江戸の南玄関であった大木戸跡(田町と品川の間)から臨時の通路が出来ています。ここから、高輪築堤を見ることができます。  金網越しでしか見ることができませんが古き良き時代の貴重な鉄道遺産です。水が溜まっているのも海があったという証拠ですね。保存され、まじかに見学する事ができる日が楽しみです。  さらに芝浦方面に歩を進め突き当りを右折し階段を降りると旧通路の「高輪橋架道橋」の地下道が100メートルくらい残っています。   今では人しか通れませんが、以前は札ノ辻-品川間で唯一の芝浦方面に抜ける道路で一日2000台の車と2800人が行き来しているといわれていました。  天井が低いので、タクシーの屋根の表示灯がぶつかる事故が絶えませんでしたので「 タクシーの提灯殺し」 の異名を持つ場所でした。むき出しの傷んだコンクリート壁、暗いオレンジ色の光に照らされ、まるで異次元の世界に飛び込んだような所でした。(2018年11月撮影)  格好のパワースポットが取り壊されて残念な気がします。  地下道を抜けると、そこは見慣れた芝浦の風景でした。左手の道を進み、突き当り左の坂を上がるとそこは芝浦中央公園です。ひろびろとした空間を満喫しました。ここを抜けてJR品川駅に向かいました。 交通アクセス JR 高輪ゲートウェイ駅:  徒歩5分 地下鉄 泉岳寺駅   :  徒歩3分

アラビアで釣ったフグは食いたし命は惜しし

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   外食もままならないコロナ禍のある朝、新聞を広げるとフグ料理の全面広告が目に飛び込んできました。見事なフグのお造りのネット販売、わ~あ美味そうだ・・・。が、値段を見るととても手が届きそうにもありません。海鮮料理が好きな私はサウジアラビアの東海岸で勤務していたころ、新鮮な魚を得るためによく釣りをしたものです。日本と同じく外道としてよくフグが掛かってきます。  ここに住む独身寮の男達の中でも屈指の食道楽でなるA氏の部屋には3日に一度は皆が集まって、マージャンパイの音で明け暮れています。その楽しみもさることながら皆はA氏の作る夜食の手料理がお目当てです。そのため、A氏は食材集めに奔走することになってしまいました。 学名   :Lagocaphalus  英語   :Grove Fish アラビア語:Anazah スワヒリ語:Bunju 体長   :25cm (違う種類ですが50cmの巨大フグもいます。次はそのフグのお話です)  ある日、A氏は巨大なフグを仕留めました。「食うべきか否か・・・?されど命は惜しし・・・」その時の彼の苦悩はハムレットの比ではなかったと言っていました。  でも食べたい。彼は日本人食堂のコックさんに頼む事としました。 「まーそこに置いときなはれ」気安くコックさんは引き受けてくれました。  その晩、雀莊とサロンを兼ねたA氏の部屋は大盛況でした。ドアがノックされジャン仲間のコックさんが手にしているのは大皿にいっぱい菊花盛された見事なフグ刺し紅葉おろしに散らしネギ・・・  その夜のメンバー全員は眼を見張りました。コックさんは「フグなんて簡単や。仕事を片付けてくるよって、先にやっていてくなはれ」そう言ってそそくさと帰って行きました。  フグという言葉を聞いた途端、皆はフグ毒のテトロドドキシンの話題に集中しました。  コックさんフグの免許持っているのかなあ・・・「簡単や」といったのは免許を持っている証拠だと思うよ・・・フグの毒は1時間経ったら舌が痺れて手足が動かなくなるそうだ・・・フグに当たったら土の中に身体を埋けて冷やすと良いと聞いてはいるが、ここの砂漠の砂は暖まっているからなア、全然効果ないだろうなア・・・。誰も箸をとろうとはしません。  侃々諤々の議論の中、ドアが開いて新たなジャン仲間のB氏が入ってきました。  B氏の視線は大皿のフグ刺しに注がれます