魚の口に入っている甲殻類ウオノエ(タイノエ)
「あかむつ」を さばいている時、その口にシャコに似た白い甲殻類の仲間が入っていることがあります。この魚はかなり深い棚に住んでいる魚類ですから、この甲殻類も同じ環境に住む生物です。名前はウオノエ(タイノエ)というそうです。シャコみたいだから食べられるかどうか?そこで調べてみることにしました。 このあかむつ(上)は42cm 1.3kgありました。この口に入っていたウオノエの体長は約5cmと2cmの二匹でアカムツの口の中ほとんどいっぱいの大きさです。 いわば人間が大福とピーナツをほおばっている感じです。 最初は魚に捕食されたと思っていましたが、実はこの甲殻類はタイやアカムツなどに寄生しており学名は 甲殻亜門軟甲綱ワラジムシ目ウオノエ科 大きいのがメスで小さいのがオスです。ペアで魚の口に寄生して体液を吸収して生きているそうです。 な~んだ、魚が食べたのではなくて逆に食べられているんだ。 ウオノエは性転換をする生物で、文献では先に魚の口に入った方がメスになるそうです。メスが魚の上顎、オスがその脇や下額に張り付きます。 ひっくり返して見ると、なるほど大きいメスの腹には育嚢があり卵胎生です。堂々としていますねえ。 小さいオスはカカア天下の女房の尻に敷かれ哀れっぽく見えます。 この甲殻類と同じような種類で深海に住む大型のグソクムシと呼ばれているものがあります。鎧をまとっているようなので具足虫なのです。 TV番組ではこれを食材として網焼きをしている場面がありました。このオオグソクムシ(10cm~15cm)は味が濃厚で美味しい、とのお客のコメントがありましたが・・・・。食べるのはちょいと勇気がいりますね。 可愛い顔をしているので水族館で飼育されているそうで、子供たちに人気者だとのことです。