釣り具を大切にするアラブの釣り人
ステイホームに飽きてアウトドアブームになっている昨今、釣りもそのうちの一つです。釣りを愛好する一人としてその気持ちはわかりますが、蔓延しているコロナ禍で緊急事態宣言が出されている今、当分自粛した方が良いのではないでしょうか。一部の釣り人のマナーの悪さは今も昔もかわりませんね。礒や防波堤に行くと使い残し釣り餌や使用済みの釣り具があちこちに捨てられているようです。4月に長崎県の「防波堤のネコの口元に釣り針」なぜ何度もこんなことが起きている。という記事が目につきました。匂いのついた大型の釣り針をあやまって食べたらしいのです。幸いにして、このネコは地元の動物愛護団体によって救助されました。 30年ほど前の事ですが、私が釣りに行った時に捨てられた小魚や餌の腐った匂いがプ~ンと鼻に着きました。景勝地に来たというのに興ざめですね。使い捨ての釣り具もあちこちに捨てられています。また 「釣り禁止」「立ち入り禁止」 という看板があっても平気で釣りをしている人があとを絶ちませんでした。今でもこんなマナーの悪さが横行しているのは残念です。 私が長年仕事で暮らしていたサウジアラビアの東海岸では釣りが盛んで、私はそこの釣りクラブの会長をつとめていました。アラブの釣り人たちは釣り具をことのほか大切にします。当地で好評の日本製の釣り具はなかなか手に入りません。アラビアの海の大魚とファイトするから竿が折れるのはもとよりリールもガタガタになってしまいます。従って手入れは欠かせません。だから折れた竿はもとより使用した仕掛けも大切に保存して魚に持っていかれるまで使います。 彼らの道具箱には数少ない新品に交じって丹念に作り直された仕掛けが詰め込まれています。彼らが立ち去った釣り場にはなにも残されていません。余った餌も海の魚にプレゼントして次の釣りのチャンスを狙います。 モノ余りの日本ですが釣りを楽しむ人は使用済みの仕掛けや折れた竿も家に持ち帰って、分別ゴミとしてだしてください。美しい海の景観なのですから。