良いたよりを求めるな、時がくれば向こうからやってくるー実際に見たアラブの格言
私はサウジアラ ビアに3回にわたり赴任し、延べ18年間くらいになったでしょうか。 1998年には最後の現地の勤めを終えて翌年定年退職しました。 ストレスから解放されている毎日の朝、新聞記事(2013年6月24日)でサウジの週末、休日が変更されたという記事がありました。 本社の土・日の休日と、ちぐはぐだったため辛かったアラブ世界での勤務を思い出し、ああ、昔いつも望んでいた事がようやく起きたんだと感じました。 私の赴任中はアラブ諸国はイスラーム暦にのっとって、週末は 木曜 、休日は 金曜日 でした。 このため、来航するタンカーの海務の仕事を担当していた私は、木・金も本社とのコンタクトは欠かせません。 休日出勤はあたりまえのこと、一方、土、日は現地で緊急のことが起っても本社からの返事は遅れて月曜日になってしまいます。 日本と6時間の時差も加わって事の対応がうまく行かないことはしょっちゅうでした。 アラビアのカレンダーはイスラムの休日のあとの土曜日から始まっています。 だから、おみやげに日本の日曜日から始まっているカレンダーをもらっても、うっかりして日付けや曜日を間違えてしまい役に立ちませんでした。 美しい日本の風景は切り取って壁に貼り付けたりしましたが・・・。 (記念にと最後の勤務年となった1998年のカレンダーを保存しておきました) ちなみにこの年のラマダーン(断食月)は1月から始まっています。 記事によると、「サウジアラビアのアブドラ国王は6月23日、同国の公的な週末を現在の木、金曜日から 金・土曜日 に変更する法令を出した。 為替、株式市場など金融部門も対象で29日から実施する。 と国営サウジ通信が報じた」(カイロ=時事) 湾岸諸国(GCC)も既に足並みをそろえており、これで土・日曜日が主流の国際的な休日と歩みよって、実質的には月・火・水の3日間しかなかった仕事上の制約が1日ほど改善されたことになります。 現在中東で仕事をされている人々には吉報ですね。 アラブの格言に曰く、 「良いたよりを求めるな、時がくれば向こうからやってくる」 でも、もう私にとっては遅すぎましたね。 辛かった仕事が懐かしい思い出に摩り替わっている今、ふとそんなことを感じた朝でした。