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恥と共に生きるなら名誉と共に死ぬほうがましであるー実際に見たアラブの格言 ブの格言 生活

  アラブ人の自尊心の強さは行動もさることながら日常の会話の中でもよく見られます。彼らは自分たちの伝統と習慣を大切にしますから、それが外れた場合、日本人が当たり前と思っている事でも自尊心を傷つけられたと怒り出してしまいます。  アラビアに赴任してすぐのことでした。私の部のオフィスボーイのポジションが空いたので、求人をすることになりました。今でこそ、このような職種は出稼ぎの外国人で占められていますが、その当時(1970年代後半)のサウジアラビアではこのようなグレードの低い職種でもサウジ人が働いていましたから、たくさんの応募がありました。  アラブでは仕事上の能力に関係なく身内の者を優先して採用することが義務と考えていますから人事部でまとめて採用することはなく、各部・課でリクルートします。  やはり縁故にたよる者が多く、誰それを採用してくれと方々から圧力がかかりました。私はこのような伝統的なアラブの習慣を無視して、不公平を排除するために面接試験をし、これぞ、と思う人物を採用しました。  その男が事務所にきて翌日、スタッフたちからブーイングがわきおこり私に抗議が殺到したのです。彼らは口々にとんでもない奴を採用したものだ、彼奴は我々に何にもやってくれないじゃないか、とカンカンになっています。でも私のオフィスの掃除やお茶いれ、他の部への使い走りはちゃんとこなしているので、不思議に思って彼を呼んでその事情を聞きました。  彼は堂々と胸をはって自分は悪くないと言い張りました。アラビア語の通訳をしてくれたスタッフがいうには、彼の部族はここのスタッフ達よりかなり上のランクにある。したがって、自分より格下の部族であるヤツの机の掃除やお茶を入れるのは私の部族の名誉にかかわる事だ、ましてや、彼らが使う便所掃除などもっての外である。ボスの貴方が命令しようともやらない、こんな恥をかかされる位だったら、死を命じてくれ、と怒り出してしまいました。 アラブの格言の 「恥と共に生きるなら、名誉と共に死ぬほうがましである」  という事です。  結局、彼は私の専用ボーイになってしまいました。しかし私の部署にはボーイのポジションは一つしかなく、スタッフたちの不満はつのるばかりです。  参ったな・・・私はすっかり意気消沈してしまいました。  私はしかたなくアルバイトのインド人を自費で雇い、皆が帰ったあと部内や

三浦半島は古代の東海道だった?―逗子長柄桜山古墳群ハイキング

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  神奈川県三浦半島は、古事記と日本書紀に記された日本武尊(ヤマトタケルノミコト)と弟橘媛(オトタチバナヒメ)の古代ロマンがちらほら見え隠れしているところである。 ‎ ‎ 日本武尊が東征の折、房総半島に渡ろうと船出をしたところ暴風に見舞われ、伴っていた后の弟橘媛が海神の怒りを静めるために海に身を投じたという。 人々はその海を「馳水=はしりみず」と呼んだ。 現在の横須賀市の走水である。 東京湾の入り口の浦賀水道は潮の流れが速くその意味でもあろう。 ちなみに千葉の袖ヶ浦は弟橘媛の「着物の袖」が流れ着いたところ、木更津は「君去らず」と媛を偲んだ故事から地名になったと言われている。 ‎ ‎ 倭(畿内)―伊勢―尾張―駿河(焼津)―相模(足柄)―鎌倉(三浦)-上総(千葉)のルートは‎ ‎古代の東海道‎ ‎であったようだ。 ただ、このルートはヤマト朝廷の軍事的な拠点であって、物流経済の意味合いは薄いようだ。 ‎ ‎ ここには数多くの‎ ‎前方後円墳‎ ‎が見られる。 海老名の秋葉山古墳、平塚の真土親大塚山古墳、逗子の長柄桜山古墳、さらに東京湾を横断して千葉県市原市の稲荷台古墳などだ。 前方後円墳に葬られる人物はヤマト朝廷の認可を受けた要人とされるから、その地の豪族、首長=国造(くにのみやつこ)だったのだろう。 ‎ ‎ 1月27日、今日はハイキングをかねて三浦半島の逗子市にある‎ ‎長柄桜山古墳群‎ ‎を訪れた。 ‎ ‎ 古墳時代の前期後半、4世紀の中頃に造られたこの古墳群は逗子と葉山の境にあり、神奈川県内で最大の規模を有している。 畿内ヤマト国造制下で三浦半島にはヤマトタケルの後裔氏族とされる鎌倉別が勢力を持っていたので、有力者を葬った古墳が存在してもおかしくない。 ‎ ‎ この古墳群は1999年に携帯電話の中継所の建設の際、埴輪の破片が出土したところから第1号墳が発見された。 続いて第2号墳が確認され2002年末に国指定史跡に認定された。 引き続き調査が行われているが、まだ謎に包まれた古墳群である。‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ ‎ 私たち夫婦は長柄桜山古墳を守る会のボランティアご夫妻の案内でJR逗子駅を出発した。 ‎ ‎ 良い天気、ハイキングには最適の日だ。 もう、汗ばんできた。 着込んだセーターをぬいでナップサックに押し込む。 ‎ ‎ マップに沿って田越橋を渡り六代御前前(約1